医療情報技師を応援するブログ

医療情報技師の仕事について現役の職員が語ります。

プログラミング言語:医療情報技師の仕事に役立つ3つの選択肢

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chatGPTによる要約 医療情報技師としての経験から、仕事に役立つプログラミング言語を3つ紹介しています。まず、VBA(Visual Basic for Applications)はExcelの自動化に役立ち、病院の業務を効率的に進めるために重宝されます。次に、VBScriptは電子カルテ端末にソフトをインストールできない制約がある場合でも、メモ帳で簡単にスクリプトを作成できるため有用です。最後に、SQLはデータベース検索に使用され、経営陣が有益な情報を取得するために活用されます。さらに、HTML/CSSの知識も番外編として挙げられ、ホームページの管理や修正が必要な場合に便利です。これらのスキルは転職活動時にも有益とされています。

 

医療情報技師として10年以上働く私が実感する、仕事に役立つプログラミング言語を3つ紹介します。

 

VBA(Visual Basic for Applications)

定番中の定番ですが、VBAの出番がもっとも多いですね。病院においても、患者の入退院数や売上などをExcelにまとめて会議に出すとか、グラフ化して問題を見える化する、といったことを日常的に行います。


パソコンに詳しくない病院の職員からは、Excelはただの「方眼紙にデータを埋めるもの」くらいにしか思われていないので、VBAを使って作業を自動化するなどという考えは思い浮かべることすらありません。


「毎日この作業にとても時間がかかる。何かいい方法ない?」と相談を受けたときに、VBAでマクロを組むと大変有難がられます。


今は病院でも働き方改革が進んでいる最中で、業務を可能な限り短時間で終わらせよう、という雰囲気が出来ています。「少しでも効率化できるなら導入したい」と思っている管理職が多いので、自動化マクロを提案するとかなり喜ばれます。実際に私も、いろんな部署から頼まれてここ数年で何本か作成しました。


マクロを使うことで、「半日かかっていた作業が30分で終わるようになった」という成果を挙げられれば、上司からの評価も高まります。

 

▼VBAは覚えておくといろんな作業効率化に使えますので、覚えておいて損はないですよ。入門から丁寧に覚えたい方には、こちらの本がおすすめです。


VBScript(Microsoft Visual Basic Scripting Edition)

前世代的で「いまどき?」という印象を持つでしょうが、VBScriptも意外と出番があります。

なぜなら、病院の電子カルテ端末には自由にソフトをインストールできない制限があるからです。VBScriptならメモ帳さえあれば作れるため、汎用的に使えるというわけです。

 

電子カルテシステムは、一般的にはセキュリティ確保の観点からインターネットと遮断された環境で構築されます。Windows Updateやウイルス対策ソフトの定義ファイルなどは院内サーバによって制御され、一斉配信プログラムを使って統制されています。このため、プログラムの開発環境を揃えたくても勝手にインストールすることができないわけです。

 

制限された環境でプログラムを作るには、Windowsに標準搭載されている言語を使うしかありません。VBScriptは、メモ帳にコードを書いて拡張子を変えてやるだけで実行ファイルとして機能しますので、利便性が高いのです。

 

例えば、障害発生時に全端末の死活監視をしたいから、pingコマンドを一斉に発信して結果をHTMLに吐き出すスクリプトを作る、といった具合です。たいしたコードを書くわけではないですが、限られた環境下でこうした要望を実現できる腕前があると、SEとしての評価が上がります。

 

ただし、VBSはMicrosoftが将来的に廃止すると発表しています。近い将来、Windowsで実行できなくなる可能性が高いのですが、それでも「かゆいところに手が届く」ようなスクリプトを書きたいときには、当面の間は活躍してくれるでしょう。

 

▼私はいつもポケットリファレンスを手元に置いて、すぐに参照できるようにしています。

 

SQL(Structured Query Language)

最後はSQLです。正しくは「データベース」言語であり「プログラミング」言語ではないですが、院内SEの業務と関連が深いので取り上げることにします。


電子カルテシステムや医事システムにおいて、いろんな統計を取るためにデータベース検索をする場合があります。たいていのシステムには検索機能が備わっていて、簡単な条件を指定すれば検索できるようになっていますが、あまり洗練されておらず使い勝手が悪いケースが多いのです。しかしSQL構文を直に作成して問い合わせできるタイプがあるので、そうした場合に自分でSQLを組む、というわけです。


経営陣は、自院の診療に関わるさまざまなデータから、経営に生きる有益な情報を読み取りたいと常に思っています。「とある医療材料の使用頻度を、診療科別にまとめたい」「過去5年間に、この検査を行った患者が何人いたか知りたい」といった具合です。


担当部署に指示してデータを出させればいいだけの話ではありますが、どの部署も日々の業務で精一杯なので、すぐに出せと言われても出来るものではありません。


電子カルテシステムがある以上、必然的に「システムからデータを出せないの?」という流れになります。そんなときに、SQLを使ってさくっとデータ抽出ができれば、重宝されます。

 

▼手元に一冊置いておくと便利なのがポケットリファレンス。ぜひ持っておきたい一冊です。

 

【番外編】HTML/CSS

番外編として、(これもプログラミング言語とは言えませんが)HTMLやCSSの知識があるとベターです。ホームページの修正や管理を任されるかもしれないからです。


今の時代ホームページは病院の顔とも言える存在ですから、好印象を持ってもらうために、制作は業者に外注するケースが多く見られます。以前は院内SEがやることもありましたが、素人に毛が生えた程度のものにしかならないため、プロが作った見栄えの良いものに比べると見劣りしてしまうからです。


特に採用活動において、学生はホームページやSNSなどを入念にチェックします。近隣の病院は数少ない人材を奪い合う競合相手となるため、どの病院も他院に負けないよう、ホームページには力を入れているはずなのです。


ところが、ホームページの管理をまるごと業者に任せられるか、というとそうでもありません。


細かな修正やちょっとした更新までも業者に頼むと、その分コストがかさみます。簡単な範囲であれば院内SEでやる、というところもありますので、その場合HTMLやCSSの知識が必須になるというわけです。

 

▼基礎から学びたい方におすすめの一冊。

 

開発業務をメインで行ってきたSEからすれば、物足りないというか、大したことないなと思うかもしれませんね。院内SEはゼロからイチを作るわけでなく、既製品の細かい部分を穴埋めすることが主な役割ですので、こうした部分をあらかじめ知っておくと転職活動の参考になると思います。