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採用成功の戦略:未経験者の成長力をアピールする方法

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chatGPTによる要約 著者は未経験からの採用に成功した経験をもとに、未経験者が採用されるための戦略を紹介しています。未経験でも採用担当者に「勝手に成長する人」感を印象づけることが鍵だと述べており、そのために具体的なアピール方法を提案しています。ポイントとして、前向きな姿勢や志望動機を明確に伝え、業界研究を通じて課題を理解し、自身のポテンシャルをアピールすることを強調しています。また、面接での具体的な質問に対する良い例やNG例も示し、適切な返答の重要性を強調しています。

 

未経験で採用されるためには「この人にぜひ来てもらいたい」と思わせる戦略が必要です。実は私自身が未経験からこの仕事に就きましたので、採用担当者に刺さる私なりの面接攻略法を紹介します。

 

「放っておいても勝手に成長する人」感を出す

ひとことでまとめると「放っておいても勝手に成長する人」感を出すことです。これを匂わせられれば、採用担当者は「すぐ戦力になるな」と思ってくれるでしょう。

新卒を除いて、未経験であることは当然不利に決まっています。雇用者としては経験者を入れ、即戦力になってもらいたいのが本音。「未経験だけど雇ってくれませんか」と正面から言っても、「入ってからゆっくり覚えてくれればいいよ」と言えるほど余裕がないのが実態です。

 

特に今は人手不足が深刻で、現場業務を回すだけで精一杯の職場が多いです。一から教育するのは新人だけで手一杯で、中途採用にはなかなか手をかけられないはずです。

 

そこで、「放っておいても勝手に成長する人」が面接官の心に留まるわけです。

では、そのイメージを面接官へ伝えるための具体的なアピール方法を紹介していきます。

 

面接官に刺さるフレーズ

私が実際に面接で質問されたことと、それに対する回答を2つ紹介します。

 

システムエンジニアのあなたが、なぜ病院に就職しようと思ったのですか?

「これからは病院もIT化を進める時代ですので、その一役を担いたいと思い応募しました」

 

病院の今後の発展を考えた、前向きな姿勢が伺えると思います。こう答えると、「病院のIT化における課題は何だと思いますか?」と突っ込まれる可能性もあるので、例えばこのような回答を用意しておくと良いでしょう。

 

①サイバーセキュリティへの脅威に対する病院内の担当者が不足している

②ベンダーへの依存度が高く、システムに精通した職員が足りていない

③システムに蓄積されたデータの有効活用

 

①は、いま医療業界で最もホットなテーマです。病院がランサムウェアの攻撃を受け数ヶ月診療停止に追い込まれる事態が立て続けに発生し、国が法整備を急ぐなど、セキュリティ強化が急務になっています。そこを知っていると「業界研究してきたな」と思ってもらえるうえ、「うちもそれをやっていかないとね」と気づかせることにもなるでしょう。

 

②は、病院が抱える慢性的な問題を突いた答えです。資本力のある病院を除いては、なかなか病院にIT担当者を置くことができず、パソコンに詳しい事務スタッフが兼務していることも多いです。トラブル時にはシステムの保守業者(ベンダー)に依存することが多いため、サイバーセキュリティ対策のように専門性の高い業務に手がつけられないのが現状。「私がいれば、IT化の問題を解決できますよ」というメッセージを伝えられるはずです。

 

③は、経営者のツボを突く回答。さまざまなシステムを入れたはいいものの、使い方がよく分からないためにシステムの機能を最大限引き出せていない病院もあります。さまざまな形でデータを吐き出し、加工して、「見える化」すると喜ばれます。IT担当者が経営者の目に留まる唯一の見せ場でもあります。

 

このように、面接官からの質問に自分なりの答えをサラッと言えると、しっかり準備して面接に臨んできたことが伝わりますし、入社後は自分から積極的に吸収してくれそうだと感じるはずです。

 

逆に、NGな回答例はこちら。

 

「長らくシステムエンジニアとして働いてきたので、その経験を生かしたいと思ったからです」

 

一見問題なさそうに思えますが、「経験を生かしたい」という表現は中途採用では要注意。雇用者にとっての利益が見えないので、「経験を生かしたら、どう貢献してくれるんだろう?」と思われてしまいます。漠然とした志望動機よりは、「入社したらこういうことをやりたい」という意欲が伝わるような受け答えをしたほうが、面接官の目に留まります。

 

職場にはあなたの年下しかいませんが、やっていけますか?

「医療業界が初めてなので、すべて一から勉強するつもりで皆さんから教わりたいと思っています」

 

未経験であることを逆手に取って、「相手が年下だろうと関係なく、一から勉強するよ」という謙虚な姿勢を訴える表現です。「一から勉強していく」という言葉には、眼の前の課題から逃げない姿勢、仕事する中で成長しようという姿勢が見えるはずです。

また病院はシニア層が多いので、誠実や礼節といった昔気質の風土が強く残る職場。SEとして経験があっても病院経験はゼロなわけですから、周囲に教えを請うことのできる謙虚さは歓迎されます。

 

この質問の意図は「中途採用者が年下だらけの環境に放り込まれても、腐らずに馴染んでくれるか?」を見るためですから、「こういう応えが返ってくるなら安心だ」と思わせることが大切です。

実は私が受けたこの質問はブラフで、実際に入社したら年上と年下は半々でした。面接官は、このように求職者を「試す」質問をしてきますので、何を知りたいのか真意を探りながら答える必要があります。

 

ですので、「若手との仕事には慣れていますので、大丈夫です」という抽象的な返しはNG。上から見ている印象を受けますし、単に「大丈夫です」と言われても説得力に欠けます。

 

ポテンシャルを感じさせるアピールも効果的

もう一つ、未経験を補うためにアピールしたいことがポテンシャル(将来の可能性、潜在能力)です。

中途採用の場合、いくら熱意をアピールしても、即戦力かどうかという点では経験者に勝つことはできません。そこでポテンシャルで勝負するわけです。

 

SEとして働いてきた方なら、ITスキルが武器となります。そこで、例えば次のように面接官へ伝えてみましょう。

 

「採用後は医療事務や医療情報技師の資格を取り、現場のニーズに合わせたシステム運用を検討していきたい」

「エンジニアとしての仕事以外にも、視野を広げて業務に取り組みたい」

 

「医療事務」や「医療情報技師」は医療業界特有の資格ですから、こうした具体的な資格名を挙げることによって、就職後のスキルアップの道筋をすでに考えているというアピールにつながります。

 

また医療情報技師には、システムから統計情報を抽出したり、さまざまなデータを集約して経営情報を視覚化したりといった、SE分野以外の仕事を任されることもあります。そうした仕事を雑用と思わず、広い範囲で活躍したいという意気込みを伝えられれば、この先の病院の発展に貢献してくれそうだというポテンシャルを感じさせることになります。