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医療情報技師 一発合格の勉強方法

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chatGPTによる要約 著者はシステムエンジニアから医療情報技師に転職し、半年の勉強で資格を取得した経験を共有。試験の特徴を理解し、過去問を解いてレベルを確認するステップが効果的と提案。過去問の解説を理解し、解けなかった問題に焦点を当てて集中的に勉強する方法を紹介。2週間ごとに解き直し、理解が定着しているか確認。最終的に全問解答の練習をし、合格に向けて準備を整えることを勧めている。

 

私はシステムエンジニアから病院に転職したあと、半年間の勉強で医療情報技師の試験に一発合格しました。自慢できるほどの成果ではないにしても、畑違いの医療業界で右も左も分からないなか何とか勉強時間を確保し、合格できた勉強法には一定の効果があったと思っています。

そこで今回は、忙しい社会人にこそオススメしたい、私が実践した一発合格法を紹介します。

 

ステップ1 試験の特徴を知る

何事も、「相手を知る」ことが大切。相手を知らずして戦うことはできません。まずは試験の概要をおさらいしましょう。

 

医療情報技師の試験概要

  • 試験は、「情報処理技術系」「医学・医療系」「医療情報システム系」の3分野から成る
  • 各分野において正答率60%以上で合格
  • 3分野すべてに受かることが条件。1分野でも欠ければ資格は認められないが、2年以内なら合格した分野の再受験は不要(落ちた分野のみ受かれば良い)

 

3分野というのが特徴です。まったくジャンルの違う分野の試験を突破しなければなりません。

「情報処理技術系」は、ITパスポート試験や基本情報技術者試験のように情報処理の知識を問う分野。

「医学・医療系」は、医学の役割や倫理観、診療記録に関する知識などを問う分野。

「医療情報システム系」は、医療情報システムの内容や稼働までの流れ、維持管理の方法について問う分野。

 

各分野の性格を一言で説明すると、このようになります。

すべてを網羅的に勉強しようとすれば、半年では到底足りないだけのボリュームがあります。そこで、効率的な勉強方法が必要になります。

 

ステップ2 過去問を解いて自分のレベルを確認する

私の考える「効率的な勉強」とは、「最小限の勉強時間で合格点を取ること」です。つまり必要な勉強だけを行い、合格点に足りない部分だけを補強する、という考え方です。

自分のレベルが分かれば、どの分野にどれだけの時間をかけて勉強すべきかが見えてきます。

 

そこで、まずはいきなり5年分の過去問を解きます。勉強してもいない分野は、当然ながら点数が取れませんが、それで構いません。

 

▼医療情報技師の過去問はこちら。

 

そして、下図のようなイメージを描くことが大切です。

システムエンジニアなら、およそこのような感じではないでしょうか。

 

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医学医療に関しては素人でしょうし、医療情報については少し情報処理の知識が応用できますが、やはり独特な設問があるため簡単には解けません。

 

反対に、情報処理に関しては無勉強でも余裕でしょう。医療情報技師の情報処理分野は、ITパスポートと同列か、高くても基本情報技術者並みです。

 

資格試験が久しぶりな方なら、肩慣らし程度に解いてリハビリしておきましょう。

イメージ図の点線部分が「補強すべき部分」ですから、そこだけを集中して勉強すればいいことが把握できます。

 

最終的に、このようになることを意識して勉強することが大切です。

 

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  1. 過去問を解く
  2. 答え合わせをし、正答の問題にはマルを、誤答の問題にはバツを付ける。

 

手順2でバツをつけた問題が、補強すべき部分となります。


ステップ3 解けなかった問題だけ解説を読む

上で紹介した問題集には解説が付いていますので、バツを付けた問題に限定してしっかり読み込み、内容を理解します。

 

中身が理解できなかったらGoogleで検索するか、医療情報技師育成部会が発行しているテキストで学習します。

テキストは資格向けに作られているので、出題分野をピンポイントで学習できオススメです。

 

▼医療情報技師育成部会発行のテキストはこちら。

 

 

テキストを頭から読んで、基礎固めから入る方もいるでしょうが、出題範囲をまんべんなく勉強しようとしても忙しい社会人にとっては時間の確保が難しいもの。

分からなかった部分だけを集中的に攻略するのがオススメです。

 

ステップ4 解けなかった問題だけを2週間後に解き直す

バツを付けた問題だけを、2週間後に解き直します。理解が定着していれば、すんなりと解けるはずです。

正答できたらマルを付け、間違えた場合はまたバツを付け、2週間後にまた解いてみます。

 

こうすると、バツが多い設問ほど苦手であることがハッキリと分かります。

 

2週間はつけ置きの期間。

人にもよりますが、1週間だと解答の記憶が残っている場合があり、ろくに考えなくても回答できてしまうことがあります。機械的に解いても意味がありませんので、忘却期間として2週間置きます。

これを繰り返し、バツの付いた設問がなくなるまで解きます。

 

ステップ5 試験1ヶ月前に、時間を測って過去問を全問解く

バツの付いた設問がなくなった頃には、合格レベルに達するくらいの補強が出来ているはずです。

あとは、時間配分を意識して解けるようになるだけです。

 

そこで予行演習も兼ねて、試験の1ヶ月前を目安に、時間を測って過去問を全問解き直します

苦手分野がクリアできているか、1問あたりの時間配分が適切か、を確認しましょう。

 

無勉強でマルが付いた設問でも、時間を置いて解き直すと間違ったりすることがあります。あらためてすべての問題をおさらいすることで、知識の習熟度を俯瞰して見ることができます。

 


過去問を制する者が一発合格を勝ち取れる

以上が、私の提案する、効率の良い勉強のしかたです。

 

この勉強法ではテキストを通読する(最初から最後まで読む)ことはオススメしておらず、「間違った問題の解説を理解するために読む」程度にしか使いません。

 

「過去に出題された設問しか解けないんじゃないか?」

 

 と思われる方もいるでしょう。しかしそんなことはありません。

 

間違えた問題の解説をしっかり読み、理解できないところをテキストで補えば、多少問題にひねりが加えられても対処できます(実際に私も対処できました)。

「解説の中身が理解できている=本質的な理解ができている」からです。

 

逆にそれができなければ、ただ「過去問の正答を暗記しているだけ」で、形だけの勉強をしているということになります。

 

 しかも、実は「ほぼ同じ設問」が出ることもあるんです。例を見てみましょう。

 

(2010年 医学・医療系)

問2

インフォームドコンセントについて正しいのはどれか。2つ選びなさい。

1) 手術・治療の直前に行なえばよい。

2) 一度行なえば次回診察時も有効である。

3) 患者本人から同意を得ることが原則である。

4) 代替の治療法についての説明は不要である。

5) 副作用や合併症について説明する必要がある。

解答・・・3,5

 

(2011年 医学・医療系)

問1

インフォームドコンセントについて正しいのはどれか。2つ選びなさい。

1) 説明は電話で行う。

2) 手術の直前に行なえば良い。

3) 合併症について説明する必要がある。

4) 一度行なえば次回診療時も有効である。

5) 患者本人の同意を得ることが原則である。

解答・・・3,5

 

どうでしょうか。

選択肢に多少の違いはありますが、設問の性質は似ていますよね。用意された選択肢についても、言い回しが違うだけでほとんど同じです。

それどころか、解答の選択肢すら同じです(笑)。

 

2010年の設問を解き、インフォームドコンセントの趣旨を理解できていれば、2011年の問題は数秒考えるだけで楽に解けます。1問、まる儲けですよね。

「過去問を制する者が一発合格を勝ち取れる」と言っていいでしょう。

 

一発合格して医療情報技師へ!

医療情報技師の資格は、あくまで通過点に過ぎません。

逆に資格試験にいつまでも手こずっているようでは、能力がまだ未熟である、と思います。

 

実を言うと医療情報技師試験の難易度は、現場で働く身からすると「それほど高くない」レベルです。

 

もちろん、システムエンジニアが初めて病院で働く場合には、異分野ですから苦戦するのは仕方のないこと。ですが客観的に見ると、SEが苦労して突破するであろう「医学・医療」の分野ですら、医療従事者からすれば「それくらい知らないでどうする」と言われてしまうレベルの知識なのです。

 

試験には実務経験で得られる知識を問うものもあるため、病院で働いたことのない人にとってはハードルが高い、というのも事実です。

ですから、「医療情報技師が未経験でも採用するよ」というところなら、採用されてから勉強しても遅くはないと思いますし、雇用側もそこまで求めないでしょう。

 

しかし採用されてからも、医療情報技師の試験にいつまでも受からないようだと、現場で活躍することは難しいと言えます。

 

ぜひとも効率よく勉強し、一発で合格を決めたいものです。

 

限りある時間を最大限に有効活用し、合格に漕ぎ着けてください。